47年間の営業に終止符-三条河原町の老舗映画館「東宝公楽」が閉館

20時45分ごろ、多くのフアンに見守られながら明かりが消された「東宝公楽」の看板

20時45分ごろ、多くのフアンに見守られながら明かりが消された「東宝公楽」の看板

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 三条河原町で47年間営業を続けてきた老舗映画館「東宝公楽」(京都市中京区三条通河原町東入)が3月31日、閉館した。

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 東宝(東京都千代田区)は先月2月24日、同館の営業を終了し2011年秋にホテルを開業すると発表した。同館は1962(昭和37)年に「大映公楽」として開館し、運営は公楽会館が行っていた。1スクリーンの映画館で収容人数は509人。最多の動員数は1997年の「もののけ姫」で、約25万人が来館した。

 最終日、同館では「ファイナル上映」として「トップガン」(1986年公開)、「オペラ座の怪人」(2005年公開)を上映。平日にもかかわらず300人以上が訪れた。会場には中高年から若年までは幅広い層が訪れ、中にはスーツ姿の会社員の姿も。館内ロビーには過去に上映されたポスターが掲示され、来館客が名残惜しそうにカメラに収めるなどしていた。

 最後の上映を迎え、「いろいろな思いの詰まった映画館」と同社の井藤博巳さん。40年に及ぶ勤務を振り返り、「さみしいとしか表現できないが、一つひとつの映画に思い出がある」とも。

 「オペラ座の怪人」の上映終了後、観客からはスクリーンに向かって温かい拍手が送られた。その後20時45分ごろ、多くのフアンに見守られながら看板の明かりが消された。

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