京都大学(京都市左京区)国際化イノベーション棟で11月20日、「京都ものづくりバレーシンポジウム」が行われた。
京都大学経営管理大学院と電子部品や機器の開発・試作・製造を行う「JOHNAN」(宇治市)と取り組みを進める「京都ものづくりバレー構想の研究と推進(JOHNAN)講座」の一環として行われた同イベント。
基調講演を行ったカーネギーメロン大学ワイタカー冠全学教授の金出武雄さんは、1995年に行った自動運転でアメリカ大陸を縦断する実験を振り返り、「自動運転中は危険に備えてハンドルの側にいるが、自分で運転した方がよほど楽だった」と聴衆を笑わせた。
金出さんは「大学の研究には地域を変えるインパクトがある」と力説し、カーネギーメロン大学の地元、ピッツバーグにGoogleやUberといった有力企業のサテライトラボが次々とできたことを踏まえ「人材を引きつける研究をすることが大事」と大学や研究の重要性を訴えた。
次に登壇した京都大学高額研究科の松野文俊教授は、阪神淡路大震災を契機に取り組み始めた救助用ロボットについて紹介。ロボットがアームで物をつかむ様子を実演した。松野さんは「ロボットがもっと生活に溶け込み、当たり前になることで『消える』ロボットが作りたい」と意気込む。
このほか、JOHNANと京都大学が共同で行った取り組みの実践報告が行われたほか、懇親会では救助ロボットの操縦体験なども行われた。