アンスティチュ・フランセ関西(京都市左京区)で7月3日、8月にフランスで始まる「SHIP'S CAT展」についての会見が行われ、主催の不動産会社のレーサム(東京都千代田区)副社長の飯塚達也さん、現代美術作家のヤノベケンジさん、和紙作家の堀木エリ子さんが意気込みを語った。
今年7月から来年2月までフランスで行われる「ジャポニスム2018」の関連企画として行われる同展示。「SHIP'S CAT」は、大航海時代に害獣から積荷を守り、船乗りに愛された「船乗り猫」をモチーフとしたヤノベさんのシリーズ。レーサムがコミュニティー型ホステル「We Base京都」(今秋開業)に設置する作品として、京都在住の堀木さんとの共作を持ち掛けた。
8月22日からルーブル美術館の併設館「カルーゼル・デュ・ルーヴル」で、障子をイメージした幅7.8メートルの作品「Picture scroll of SHIP’S CAT」や、和紙で作る立体造形「SHIP’S CAT (Sleeper)」など共作作品4点を含む全9点を展示する。
ヤノベさんは「ルーヴル美術館には、古代エジプトの出土品を多数収蔵することで知られるが、猫が古代エジプトで繁栄し、シップスキャットとして世界に広まったことや、堀木さんの和紙もパピルスが生まれた地という意味でもつながりがある。今回の展示はまさに必然的な結びつきだと感じる」と話す。
堀木さんは「私はこれまで抽象的な作品が多く、ヤノベさんのSHIP'S CATをどう具現化するか大きなチャレンジになった。和紙という素材を通じて日本独自の情緒や情感といった『空気感』をフランスの方にも感じ取ってもらえたら」と話す。
展示終了後、「Picture scroll of SHIP’S CAT」と「SHIP’S CAT(Totem)」は、We Base京都で展示する予定。