京都文化博物館(京都市中京区高倉通三条通上る、TEL 075-222-0888)で12月5日から「日本のふるさと 大丹後展」が始まる。
日本海側に位置し、中国大陸や朝鮮半島との交流により栄えた京都府北部の丹後地域の出土品や「羽衣伝説」や「浦島伝説」などの伝説・伝承に関する資料のほか、寺社に残る文化財、特産の丹後ちりめんに関する資料など137点を4つのテーマに沿って展開する。丹後地域にフォーカスした展示でこれだけの点数が揃うのは初めてだという。
1部となる「交流」では、旧峰山町と旧弥栄町にまたがる(現京丹後市)大田南5号墳から出土した「青龍三年銘方格規矩四神鏡」を展示。中国・魏の国の年号である青龍3(235)年の文字が刻まれている。同年は、卑弥呼が使いを送った景初3年の4年前にあたる。隣には高槻市で出土した同じ鋳型で作られた鏡を展示。3面見つかっている内の2面を展示する。福知山市で出土した「広峯15号墳出土景初四年銘盤龍鏡」は、三角縁神獣鏡と共通点も多いが、改元のために正史では見られない「景初四年」の銘が見られることからその製作の背景などが議論を呼んでいる。
4部の「生産」では、食や丹後ちりめんについての資料を中心に集める。正倉院にも納められた絹織物の「あしぎぬ」の復元品や、戦前から戦後にかけて作られた見本帳を展示する。「大正時代から昭和にかけては、シャツなどの洋装の生地が作られており、高度経済成長期に和装に特化した。丹後ちりめんの生産地が現在、海外向けの商品を作っているのはある意味で回帰的な取り組みとも言える」と丹後市教育委員会の新谷技師。
開催時間は(月曜定休。祝日の場合は翌日休館。12月28日~1月4日までは休館)。2016年1月17日まで。