中京区にある地下街「ゼスト御池」の「無人お部屋探し処」が8月11日に1周年を迎える。運営は京都の賃貸住宅管理業者「長栄」（京都市下京区万寿寺通烏丸西入御供石町）。

　同社の店舗のアンケートなどから「部屋や家が決まる前に店舗に入りにくい」「セールスされるのは苦手」という声が多かったため「スタッフレスショップ」の導入を決めたという。店舗には物件情報がタッチパネル式で検索できる機械を設置。沿線やエリア別などの条件で好みの物件を探すことができ、気になる物件があれば、有人店舗にテレビ電話で問い合わせもできるようにしている。情報は店舗のものと同じで毎日更新されている。

　「若い人の夫婦やカップルの利用が多いようだ」と同社営業部長の井上啓さん。有人店舗は駅前に設けることが多いが、無人店舗の場合は人通りが多く、休憩がてら利用できるショッピングモールを中心に出店しているという。同店の場合、小さい区画で店舗利用の想定されていなかった「デットスペース」でも運営できることは施設側に喜ばれたという。

　およそ1日に4組から5組ほどの利用があり、成約も月に1度のペースであるという。「情報発信の機会や有人店舗への送客を考えていたので驚いた」と井上さん。「空いた時間で楽しみながら物件探しができる場所としての認知を上げていきたい」とも。

　営業時間は10時30分～20時。現在は京都と大阪で5店舗を運営する。3年をめどに20店舗を目指して設置場所の確保を進めている。