社会起業家のコミュニティー&ネットワーク拠点「HUB KYOTO」(京都市上京区鳥丸通上御霊前下今相国寺門前町)で7月26日、「HUB kitchen」が開催された。
主催は、京都から「手仕事の作品から人間関係を変えていこう」と発信する団体「HANDS」。同団体はHUBのコアメンバーでもある川島和子さんを中心に、陶芸や銅版画などの作家による集まりで、「Human And Nature Design Sustainability」の略。現在、京都と、それ以外の地域で年2回の展示をメーンに活動している。
アジアの器を中心とした工芸品などを輸入する事業の経験を持つ川島さん。以前より、大量生産による人間関係の希薄化に問題意識を持っていたという。「効率よく生み出されたものに囲まれていると、人間関係まで効率を求める価値観に変わってしまう。その場限りや、都合のいいときだけの関係で互いに理解することを面倒と思うようになり孤独を生み、もしかしたら自殺にもつながっているかもしれない。手元に一つ、手仕事のものがあるだけで、人と人の関係を見直すことができるのでは。いろいろな手法があるが、私はこの方法で社会に働きかけていきたい」。
イベントに参加したのは、学生やものづくりに携わる職人、地域活性化をテーマに活動している人など約30人。当日は、安全農産供給センターの野菜を使った「レモングラス風味の冷や汁」「オイルサーディンと手作りマヨネーズのオープンバゲット」「ソイミートを使ったハーブたくさんのドライカレー」などを、メンバーが制作した器に盛り付けて振る舞われた。
併せて、同団体の活動紹介のほか、分科会を実施。「HUB Kyoto」が掲げる「自己」「環境」「社会」の3つのイノベーションについてチーム分けを行い、自分が実現したいと思っていることや、そのために始めたことなどを手掛かりにどのように「持続可能なインパクト」が社会に与えられるか話し合った。イベントの最後には、お茶を飲み参加者同士のコミュニケーションを図った。