「虚白院(きょはくいん)」(京都市上京区烏丸通上御霊前下ル相国寺門前町)で11月21日より、企画展「物気色(モノケイロ)-物からモノへ-」が開催される。
今年1月京都大学総合博物館(左京区吉田本町)で行われた「物からモノへ」展の続編にあたる同展。日本語の「もの」という言葉には人的意味の「者」、物質的意味の「物」のほかに「モノノケ」や「モノノアハレ」に代表されるように霊的な意味を持つという。同展では霊的な意味を持つ「モノ」に焦点を当てる。そのためアート作品は、ただの「物」ではなく、そこには「モノ」が宿り、作家も「物」をクリエートする「者」ではなく、「モノ」につかれて作品を生み出す「依代(うつわ)」であると考えるという。
会場となる虚白院は相国寺(京都市上京区)の隣に位置する築120年の旧宅。朝鮮通信使ゆかりの地にあり、初代主人の南画家河野秋邨(しゅうそん)を慕って若き日の同志社大学元学長、田畑忍(故人)をはじめとする京都を代表する文化人が集ったサロンでもあったという。通常は一般非公開の同宅。そのため「歴史的にも文化的にも価値の高い旧宅と現代アートの融合を楽しんでもらえたら」と同展主催者。
能舞「物気色」などのイベントや関連企画も予定する。開館時間は10時~17時(入館は16時15分まで)。入館料は、一般=1,000円、中・高・大学生=800円。今月28日まで。