祇園祭の山鉾(やまほこ)を持つ各町内で現在、同祭の好天を祈り7月16日の夜に奉納する「日和神楽」の中止が相次いでいる。
日和神楽は山鉾巡行の好天を祈り、町内から八坂神社もしくは四条御旅所に赴き日和神楽を奉納する神事。21時30分頃から会所を出発し、関係の深い町内(寄町)でもおはやしの奉納を行う。ちょうちんをともした山や鉾の山車が通りを行き来し、翌日に迫った巡行への期待を高める。
今年は大型で非常に強い台風11号の影響が懸念されている。一斉に行う巡行と違い、日和神楽は各山鉾の神事のため各山鉾町で判断をすることになる。午前中の時点で中止を決定した函谷鉾(かんこぼこ)のほか、19時頃には決定をする鶏鉾(にわとりほこ)、直前まで天候を見て判断するという月鉾(つきほこ)など対応が分かれている。
「神事なのでできるだけ実施したいと考えている。実施しないにしてもやれるように準備を進めている」と月鉾関係者。鶏鉾では、大雨が降った時は、過去に四条通の地下道を通って日和神楽を行った例もあるので、同様に地下を通るかも含めて検討したいという。
因幡薬師(下京区)で日和神楽を迎えるイベント「松原お迎え提灯灯し」も狂言や鷹山(たかやま)によるお囃子(はやし)ワークショップなどの中止を決定。主催の松原通りかいわい活性化活動プロジェクト委員会の山田正太郎さんは「この天候はとても恨めしいが、因幡薬師を題材にした狂言があることや鷹山の復活に向けた取り組みをたくさんの人に知ってもらいたいという思いなので、あらためて開催できる機会を設けたい」と気持ちを切り替えていた。