「ぐるなび京都営業所」(京都市下京区四条通東洞院東入立売西町)で8月31日、飲食店向けの日本酒セミナーが行われた。主催は飲食店の情報サイトを運営する「ぐるなび」と京都市。
9月22日に「みやこめっせ」(左京区)で行われるイベント「日本酒条例サミット」開催にちなんで行われた同セミナー。京都市が2013年に日本酒で乾杯することを勧める「京都市清酒の普及の促進に関する条例」を制定。これまでに同様の条例が100以上もの自治体で制定されているという。イベントでは全国から50の蔵元が集まり、日本酒の試飲ができるほか、清水焼のおちょこの販売を行う。
セミナーでは、ぐるなびが会員から集めたアンケートも紹介された。「悪酔いするのでは」「何となく」といったイメージから日本酒が飲まれていないが、スタッフから日本酒を勧められたら飲んでみたいという若年層の傾向が示された。
最後に、「松井酒造」(左京区)の松井成樹さんが登場。無ろ過生原酒の「神蔵(かぐら)」「富士千歳」といった銘柄を提供する同社。「マンションの1階にある京都で一番小さな蔵。だからこそ個性のあるお酒造りに取り組んでいる」とあいさつ。現在の吉田に「復活」した蔵の歴史や、品質管理を厳格に行う施設を整え、経験や勘だけでなく科学的な数値を重視する酒造りを紹介した。
「日本酒は水や氷で割らないので、口に入る段階では焼酎などよりもアルコール度数が高い。日本酒と一緒にお冷やを出し、アルコール分を下げることで酔いを和らげる「やわらぎ水」として飲んでもらうことで『悪酔いする』というイメージが払拭(ふっしょく)できるはず」と松井さんは提供の仕方の工夫を指南。水を合間に飲むことで舌がリフレッシュされて、おいしく飲める効果もあるという。
セミナーでは参加者が松井酒造の銘柄5種類の飲み比べを体験。精米の割合や米の産地による味や香りの違いを確かめた。参加者からは、保存の方法や、燗(かん)はレンジでもいいのか、といった質問も寄せられた。
「今、日本酒がブームと言われているがこれを『文化』として根付かせたいと思っている。みなさんの店でも、日本の季節や風土から生まれたものとして伝えてもらえたら。蔵にも見学に来てください」と締めくくった。
開催時間は、1部=11時30分~14時、2部=15時~17時30分。入場料は3,000円。申し込みはサイトから受け付ける。