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京都の地下鉄で可動式ホーム柵運用へ-運転手は手動で扉の位置合わせる

現在は、扉が開いた状態で設置されている

現在は、扉が開いた状態で設置されている

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 地下鉄御池駅(京都市中京区)で12月20日、始発運転から可動式ホーム柵の運用が開始される。

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 烏丸線は1981(昭和56)年に開業。当初から柵が無く、目の不自由な人や車いすユーザーの団体から要望が多く、また飲酒による落下防止などの安全対策として導入を決定した。柵に設けられた扉の高さは1.3メートル、幅は3メートルで、東京メトロなども採用しているタイプ。車掌が車両の扉と、柵の扉を開閉することになる。

 同駅は線路2本に対して2つのプラットホームが向かい合わせの「相対式ホーム」で、京都駅や四条駅の「島式ホーム」に比べホーム幅が広く、駅が直線になっていて見通しが良く、設置が容易なため最初に設置することが決まった。同駅では、柵の設置により見通しが悪くなるため、モニターを設置。また、柵に設置された放送設備から車掌の注意喚起なども流れるようになる。

 可動式ホーム柵を導入する場合は、車両に自動停止装置を付けるのが一般的だと言われる。しかし、市の財政負担を抑えるため、運転手が手動で車両の扉と柵の扉の位置を合わせる。手動での運用は公営鉄道では初のこと。乗り入れを行う近鉄車両との仕様の違いにより約30センチのずれが生じるが、運転手はこれを考慮しなくてもよいよう前後70センチ、合計1.4メートルの余裕を設けている。

 運転手は、柵の設置のために乗車位置が変更となった6月22日以降の運転時に停車位置を合わせる「自主練」を重ねたほか、9月下旬には竹田車両基地にある研修所内に設けられた柵でも開閉操作や案内放送などの研修を行った。「経験年数によって精度に差はあるが、ほとんど範囲内で停車できるようになっている」と同技術監理課課長の金川泰之さん。

 オペレーションの追加や、停車位置の修正などの時間を考慮したところ、ダイヤを乱さずに設置できる上限が3駅だった。そのため、平成27年度中に利用者数の多い京都駅・四条駅への設置を行う。総事業費は9.7億円となる。

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