文化体験の教室なども開く呉服店「冨田屋」(京都市上京区大宮通一条上ル、TEL 075-432-6701)で2月20日、「お話や昔遊び 和やかに会食の お雛(ひな)会」が始まった。
冨田屋の建物は坪庭や通り格子など京町家の特徴を備え、至る所に神様を祭り、代々の当主が思いを込め守り抜いてきた。1999年に国の登録文化財として指定を受けたのを機に、「西陣くらしの美術館」として内部を公開。着物のマナースクールや「町家でくらし」体験などを展開し、「しきたり」に触れ、暮らしに息づく町衆文化の継承に務めている。
同会では、同店が受け継ぐひな人形を公開する。いまよりもふっくらとした顔だちが特徴の江戸時代のものや生まれたばかりの幼児と同じ大きさの「抱きびな」も。「年数が古いというだけでなく女の子の成長を願うその思いを感じとってもらえたら」と同店の田中さん。
22日には奈良から訪れた夫婦が会に参加。町家やしきたりを学び、「お雛会伝統弁当」やひな祭りのお菓子「ひちきり」を食べた後、漢字の偏と旁(つくり)がバラバラになった札を合わせて1つの漢字をつくる「偏(へん)つぎ」や貝合わせ、投扇興(とうせんきょう)に挑戦。投扇興では初めは的に届かず苦戦するものの、次第に扇が滑るように飛び始め、ついに的が倒れると思わず拍手も。「こうして過ごすと時間の流れ方がいつもと違いゆったりと感じる」と町家での体験を楽しんだ。
時間は11時~13時。料金は8,400円。定員は20人(2人から受け付け)。4月3日まで。