大谷大学の学生会を中心とした「大谷大学ほっとコーヒープロジェクト」(京都市北区小山)が7月1日、オリジナルコーヒー「尋珈琲(ジンコーヒー)」を発売した。
同大では2012(平成24)年「はるかぜ」「Young Leaves」の2種類のオリジナルコーヒーのドリップバッグを商品化し、大学のオリジナルグッズとして活用してきた。それから10年が経過することから、学生らが中心となって「全く新しいコーヒーづくりを目指したい」と「伊藤珈琲(コーヒー)」(京都市北区)に協力を依頼して昨年9月にプロジェクトを立ち上げた。
プロジェクトでは豆の選定や焙煎(ばいせん)の深さなどを調節し、試作品を使った試飲会を文化祭や新入生歓迎会、オープンキャンパスで実施。延べ600人から意見をもらった。コロナ禍中の活動で、部室に入室できる時間が限られていたり、談話ができなかったり大きな制限を受けながらの活動だったという。
コーヒーのブレンドの名前は同大に残る1913(大正2)年に建てられ、現在は国の登録有形文化財の「尋源館」にちなみ命名。大学の「自分の生き方を尋ね、考えていく」の思いを込めた。パッケージにも建物のデザインをあしらっている。7月から伊藤珈琲で販売・提供する。
コーヒーが好きでこの日もドリップの抽出を担当した嶌本愛さんは「ホットでもアイスでも、フレッシュを入れるなどして気分に合わせて楽しめる味わい。香りが良く、疲れているときにも『もう一度頑張ろう』とリフレッシュできるような味なので楽しんでもらえたら」とアピールする。
プロジェクトメンバーの中野隆希さんは「『苦みが好き』『苦みが苦手』の真逆の意見が集まって苦労した。伊藤達店長に相談して『苦みを残しつつ飲みやすい』ものにできて良かった。地域の人にもリピートしてもらえたら」と話す。
伊藤店長は10年前のブレンドコーヒーづくりを担当した学生が結婚して店にも来てくれたエピソードを明かし「尋珈琲も人と人、地域と大学をつなぐような存在になれたら」と期待を込める。
価格は100グラム入りで650円、ドリップバッグを詰め合わせたギフトボックスが1,200円。提供はホットのみで620円。