六角堂(紫雲山法頂寺・京都市中京区六角通東洞院西入る堂之前町)で3月27日、映画「花戦さ」の公開に向けたイベントが行われた。
実在する六角堂の花僧、池坊専好が1594(文禄3)年に生けた立花「大砂物」の史実を題材にして作られた同作。狂言師の野村萬斎さんが演じる池坊専好が、天下人となっておごり高ぶる豊臣秀吉(市川猿之助さん)に仕掛けた「花戦さ」を描く。
この日は映画でも登場する六角堂に、萬斎さん、千利休を演じた佐藤浩市さん、天才絵師のれんを演じた森川葵さんが登場。僧侶が読経する中、映画の完成を奉告し、オウロレウカの花を献じたほか、餅観覧客に向けてもち投げを行った。
佐藤さんとの共演は「のぼうの城」以来だという萬斎さんは「でくのぼうから池坊になった」と話し会場を笑わせたほか、佐藤さんは「丸みという表現を心掛けて千利休を目指した。茶道は練習をしたので、手元のシーンも全部本物だからちゃんと見るように」と念押し。森川さんは京都で豆乳のドーナツなどを食べて楽しく過ごした思い出や「撮影に参加して心が優しくなったり豊かな気持ちになったりする花の力を思い出させてくれた」と撮影を振り返っていた。
萬斎さんは「人間の個性を花と例えるが、猿之助さんや、中井貴一さんなど豪華な俳優が個性を咲かせている作品。『花狂人』の専好という一つのつぼみが花開いていくまでの時間を楽しんで」と呼び掛けた。
6月3日公開。