京都芸術センター(京都市中京区室町通蛸薬師下ル、TEL 075-213-1000)は7月28日から、國府理さんの企画展「ここから 何処かへ」を開催する。
車や動く乗り物をモチーフにした作品を制作する國府さん。今回「ギャラリー南」では、車の視点になる作品が登場。車が持っている「旅の記憶」の映像を投影しながら小型トラックが円を描いて走り続ける。「人間ではない視点が持ち込まれていることは國府さんの作品の特徴の1つ。いつもと違うものの見方ができる」と、同センターアートコーディネーターの奥脇さん。
「ギャラリー北」では、暗室に上向きのパラボラアンテナに植物が植えられ、太陽に見立てた照明が取り付けられる。照明の電力はこのために設置した屋上の風車から供給されるため、明るさは風の強さに連動する。十分な光が得られないため、太陽光線の下で見るのと違った植物の姿が見られる。「今回、異なる視点で作られた北と南のギャラリーが循環するようなイメージで展示している」と奥脇さん。
「國府さんの作品は、車や人と機械、自然を組み合わせることで、想像の旅の起点になる。どこに行くのかは、観る人によってそれぞれ。皆さんの旅が良い旅になりますように」とも。
期間中は、「野ブタ。をプロデュース」で知られる作家の白岩玄さんによる子ども向けワークショップ、國府さんと筑波大学で生物物理などの研究を行う菱田真史さんによるトーク、電子楽器「テノリオン」を使ったRUBYORLA(ルビオラ)のライブなど、別分野から作品へアプローチし想像を膨らませる関連企画も展開する。開催日時などの詳細はホームページで確認できる。
開催時間は10時~20時。入場無料。9月9日まで(会期内無休)。