トリワークス(東京都渋谷区)が開発したケータイ課金代行サービス「QT(キューティー)カード」が京都・祇園で千社札に採用され、3月1日から「モバイル千社札」として京都で配布・販売されている。
京都の花街では、舞妓(まいこ)や芸妓(げいこ)が利用客に源氏名の書かれた千社札を渡す習慣がある。第1弾として、祇園東の舞妓さんである美晴さんの千社札に採用された。
カードの表面には源氏名と顔写真がデザインされ、裏面のQRコードにアクセスすると美晴さんの待受画像やけいこに励む動画、着ボイスなどをダウンロードできる仕組み。QTカード専用サイトでは舞妓がプライベートで通う「おすすめ」の店を紹介するなど、お座敷では見られない舞妓の素顔を垣間見ることができる。
QTカードに付くQRコードは従来のものとは異なり、ファーストアクセスした携帯端末からしかアクセスできない。閲覧できるのは舞妓から直接モバイル千社札を渡された人のみで、コピーや転送はできない仕組みになっている。「QTカードを購入した人しか手に入れられないコンテンツとして、プレミアム感を味わっていただける」と同社担当の橋本早紀さん。
モバイル千社札は、同社が「京都MOTTO」を手掛けるライクマインディッド(滋賀県大津市)と企画・連携し、実現したもの。「伝統文化や伝統芸能とのコラボレーションによって地域活性化に貢献するのが目的。舞妓を身近に感じていただくことで京都への観光誘致を図りたい」と橋本さん。今後は、同じく祇園東の涼香さん、芸妓の雛菊さんもシリーズ化する予定。
QTカードは、ケータイコンテンツの提供やケータイ通販の課金を通信事業者を通さずにカードの販売を通して簡単に行うことができるサービスで、昨年7月に同社が開発した。