ワコールの着物用インナーウエア「和らんじゅ」の京都高島屋（下京区四条通河原町西入真町）での 6～7月の売り上げが前年比30％増を記録し、和装アイテムとしては好調な売れ行きを見せている。　

スリットが入ったキュロットペチコート

同ブランドは2013年4月に立ち上げられた。ブランド名の「和」には、ワコールの創業時の社名の和江商事、和装、和の心などの意味が込められているという。呉服市場の大部分を占める京都を拠点とする同社が、和装文化に寄与することを目指して開発した。

和装用下着は、長い歴史の中で変化がなく、紐が多く結び目が肌に当たる、素材が突っ張りやすいなど、和装を日常的に着用する上での煩わしさがあった。同ブランド商品では、洋装用ランジェリー開発の中で培った生地、織りの技術、人間工学に基づいたシルエットを和装用下着に生かした。

　商品は、従来の肌じゅばんのようなひもを廃し、レースやストレッチ素材を使用。結び目が肌に当たる、固く締まり脱ぎ着しにくいなどの着物を着るときの不便さを取り除いた。下から着られるよう襟元を広くし、ヘアメーク後も髪型を崩さず脱ぎ着できる。生地には伸縮性があり、立つ・座るなどの動作がしやすくなっている。脇には汗取り用の裏打ちも施すなど、快適さと着物を傷めないような工夫を施す。

　生地はシルクや綿、ワンピースタイプやセパレートタイプなどを用意。ブラジャータイプには肩下にパッドを入れることができ、胸元のラインを作ることができる。「今後は実用性に加え、ワコールならではのレース素材や柄を取り入れた、よりファッション性の高い商品を提供できれば」と同商品開発担当の川戸敦子さん。

　価格は、ワンピースタイプ＝1万9,440円～、セパレートタイプ＝8,640円～。取り扱い店舗は同社ホームページで確認できる。