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京都高島屋で「山崎豊子展」 京都ゆかりの社会派作家の努力と内面

各作品ごとに直筆原稿や創作メモなどの資料を展示。人物相関図などのパネル展示、懐かしの名シーンの映像も

各作品ごとに直筆原稿や創作メモなどの資料を展示。人物相関図などのパネル展示、懐かしの名シーンの映像も

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 京都高島屋(下京区四条通河原町西入真町)で現在、「白い巨塔」や「華麗なる一族」など社会派小説を手掛けた作家・山崎豊子の直筆原稿や執筆資料を展示した「追悼 山崎豊子展~不屈の取材、情熱の作家人生~」が行われている。

京都女子高等専門学校時代の写真

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 全作品年表や初公開となるプライベート写真で山崎の人生を紹介することに始まり、デビュー作「暖簾(のれん)」から遺作「約束の海」の直筆原稿や取材ノートなどの資料を展示する。映像化された作品は、資料とともに名シーンを上映。その他、山崎が執筆していた書斎の再現、万年筆などの愛用品やこだわりのファッション小物なども展示し、「人間 山崎豊子」を紹介する。

 先に行われた東京・横浜の2会場では、9万人が来場した同展。山崎は大阪・船場で生まれ、京都女子高等専門学校(現・京都女子大学)を卒業し、京都にゆかりのある人物であることから、京都会場限定で、京都で書いた日記と女学生時代の写真を展示する。

 まだ整理しきれていないという遺品の数々の中から選ばれた展示物の中でも、小説のあらすじや作品内の時間の流れを書いた「進行表」や創作ノートなどからは、徹底した取材や、人間模様や作中の建物の間取りや小物の設定など、読者に喜んでもらえる作品を執筆したいという山崎の内面や努力がうかがえる。

 絶筆となった「約束の海」などの編集を担当した新潮社の矢代新一郎さんは「多くの人に愛された山崎の作品が、これだけの努力をしていたということを感じてもらえると思う」と話す。京都の文学好きの人や学生に向けて「執筆中の疑問点やどこに取材するか細かく書かれた進行表や創作ノートから、小説の裏側の一端を知ることで、より面白く楽しく読めるのでは」とも。

 入場時間は10時~19時30分(最終日は16時30分まで)。入場料は、一般=800円、大学・高校生=600円、中学生以下無料。1月18日まで。

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