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幻の「京都芸能」巡るツアー 100数十年ぶり講談の演目復活も

講談師の旭堂南青さん

講談師の旭堂南青さん

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 北野界わい創生会(京都市上京区中立売通六軒町西入三軒町、TEL 090-9610-2012)が現在、「京都芸能」を巡るツアーを旅行会社などに提案している。

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 歴史研究家の鳥井光広さんが所有する絵画や本、番付などの資料を見たり、僧侶や気象予報士など京都在住の幅広い職種のガイドによるツアーを企画する同会。同ツアーでは、かつて京都で隆盛を見せたものの、今は途絶えてしまった「京相撲」や「京都講談(講釈)」などの「京都芸能」にスポットを当てる。

 「北野天満宮のおひざ元である北野・西陣周辺には、さまざまな興行で栄えていたが今ではほとんど知られていない」と鳥井さん。「京相撲もその一つ。幕末までは江戸と京都、大坂を巡業する四季勧進相撲から、京都は独立した興行が行われるようになった。現在も力士の墓など京相撲に関する史跡を見ることができる」とも。

 講談は平家物語や太平記の読み聞かせに始まり、江戸後期に完成した話芸。講談から「真田十勇士」「猿飛佐助」など、現在でも人気の物語が生まれた。江戸、大坂と並び、京都でも講談が行われ、京都講談は神道講釈の流れをくむ「玉田派」が活躍した。「安倍晴明」「菅原天神記」などの演目が口演されていたという。

 昨年末、玉田玉麟(ぎょくりん)の講談の速記本「天満宮霊験記」を鳥井さんが見付けたことをきっかけに、講談師の旭堂南青さんに協力を依頼。南青さんも「演目があることは知っていたが、実物見るのは初めて」と話す。北野天満宮にも同書が收蔵されていたことから公認を受け、およそ100数十年ぶりの口演が可能となったという。

 ツアーは、南青さんのガイドや鳥井さんの解説に加え、南青さんの口演も組み込むことができる。価格は6万円~。南青さんは「知的好奇心をくすぐる物語に粋な笑いが講談の特徴。講談をこの機会に知ってもらえたら」と話す。

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