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清水三年坂美術館で「超細密根付」展、幕末から明治の超絶技巧の作品群紹介

森田藻己の手による栗の根付

森田藻己の手による栗の根付

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 清水三年坂美術館(京都市東山区清水、TEL 075-532-4270)で現在、「超細密根付展」が開催されている。

翁面

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 幕末から明治期にかけての金工や七宝(しっぽう)、京薩摩(京風の薩摩焼の総称)など作品1万点を所蔵する同館。2階では森田藻己(もりたそうこ)一派の根付け作品を展示する。根付けとは、印籠などを提げる時に使われた日本独特の道具。大きすぎず、角張っていないものが理想とされたが、明治期には洋装化により観賞用の美術品へと変化したという。

 森田藻己は明治12(1879)年生まれ。15歳で根付け師の宮崎如藻の内弟子となり、14年間修業を積み29歳で独立。主に木彫・牙彫を得意とし、写実的できわめて細密な彫りと完璧な仕上げに特徴がある。200本もの彫刻刀を使い作品を彫っており、思い通りの作品に仕上げるために作品よりも刃を研いでいる時間の方が長かったと言われる。

 中でも本物と見分けがつかないほどそっくりに作られた栗の根付けは、上野の西郷像などで知られる高村光雲が自慢していたという逸話を持つ。細密な根付けについて、同館の朝山衣恵さんは「海外から絵画では遠近法が入ってきたり、科学的なものの見方が入ってきたりしたことにより、写実的なものが好まれた時代だったかもしれない」と説明する。

 「細部にわたる部分にまで彫りが施されており、どのようにして作ったのか見当が付かないほど。じっくり見てもらいたい。未完成の作品も展示されていて、本当に彫って作っていたことがわかって、見ていてほっとしますね」とも。

 展示では、およそ160点の作品を展示。根付けのほかに、象牙や木彫の作品なども展示する。

 開催時間は10時~17時(入館は16時30分)。入館料は、一般=800円、中高大学生=500円、小学生=300円。月曜・火曜定休(祝日は開館)

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