没後30年、ユージン・スミス写真展-京都近代美術館で

スペインの村:治安警部隊
1950/51年
ゼラチン・シルバー・プリント
©The Heirs of W. Eugene Smith

スペインの村:治安警部隊 1950/51年 ゼラチン・シルバー・プリント ©The Heirs of W. Eugene Smith

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 京都国立近代美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町、TEL 075-761-4111)で8月5日より、「没後30年 W・ユージン・スミスの写真」が開催される。

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 同館は、過去15年にわたり、W・ユージン・スミスの写真作品を収集してきた。これらの作品は、取材パートナーとして水俣公害の実態をともに記録・報道してきた、ユージン・スミスの伴侶でもあったアイリーン・美緒子・スミスさんが保管してきたもの。

 同コレクションは、グラフ雑誌「ライフ」の戦争通信員として撮影した「第二次世界大戦」(1943-1945)をはじめとした約280点の写真作品で、印画の質に厳格だったスミス自身が大部分のプリントを手掛けた。これらは最終的に「アイリーン・スミス・コレクション」として、同館の所蔵作品となる予定。

 ユージン・スミスは1918年カンザス州に生まれ、「カントリー・ドクター」(1948)や「ピッツバーグ」(1955-1956)、「水俣」(1971-1975)などのフォト・エッセーを数多く生み出した。従軍写真家としてサイパン、硫黄島、沖縄の戦場を経験したほか、水俣に居住しながら水銀による公害の実情を世界に伝えるなど、フォト・ジャーナリズムの歴史に偉大な足跡を残した写真家として知られる。「ヒューマニズムが強く、純粋な倫理観にあふれており、作品化された写真は今なお強く訴えかけられる」(同展担当者)という。

 同展では、没後30年にあたる今年「アイリーン・スミス・コレクション」として、約150点の写真を展示する。「今回の展示で、ユージン・スミスの全体像を見ていただければ」(同)。8月9日14時からは、アイリーン・美緒子・スミスさんを迎え「ユージン・スミスと私」と題した記念講演を行う。聴講無料。定員100人。

 開館時間は9時30分~17時。月曜休館。観覧料は、一般=420円、大学生=130円。9月7日まで。

京都国立近代美術館

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