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京都で築100年超える2つの古民家を会場に現代美術展

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 戦後の女子教育の場として使われた築100年を超える「虚白院」(京都市上京区)と、京都の町家の遊狐草舎(ゆうこそうしゃ・北区)で、現代美術の展覧会が現在開催されている。

池坊由紀さんの作品

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 「素材と知覚-『もの派』の根源を求めて」を掲げる同展示。「もの派」とは、1970年前後に生まれ、現代日本美術にも多大な影響を与えている作品の一群。彫刻家の関根伸夫さんが1968(昭和43)年に須磨離宮公園で、円柱型の穴を堀り、全く同じ高さや幅の円柱形の土塊を置いた作品「位相-大地」などが知られている。

 展示は、「ポストもの派」、もの派の問題意識に光を当てる「モノ学・感覚価値研究会アート分科会」の作家の作品や、若手作家の作品を通じて、「世界を新たな視点から自由に捉え直すこと」を目的とする。

 虚白院は現在、起業家の世界的なネットワークImpact Hub Kyotoの京都拠点としてコワーキングスペースとしても使われ、能舞台や茶室などが設けられている。あえてホワイトキューブを避けて同所で展示を行うのは、日本の伝統的な文化風土に基づきつつ、それを活性化する新しいコンテンポラリー・アートの在り方を模索する意味を込めているという。

 同施設では、池坊次期家元の池坊由紀さんが、絵と連動した花材や、絵を枝葉が隠さないように構成する生け花作品を展示。能舞台に描かれた「鏡松」と、本物の松や枯れた木に、白いツバキの花を生けた。

 日本画家の大舩真言(おおふねまこと)さんの「WAVE#97」は、茶室の外に下げられた作品を、明かりのない茶室「観想の間」から見る趣向。外林道子さんの絵画「體と臓7」と、陶芸家の近藤高弘さんの作品「Reduction」が対峙(たいじ)するように据えられている。

 参加者は、母屋や蔵、竹林の庭に設けられた茶室などを巡りながら、会場のあちこちに配置された作品や、その取り合わせに納得したり驚いたりとさまざまな反応を見せていた。

 開場時間は会場によって異なる。料金は共通パス=1,000円。3月22日まで。

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