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京都で「終活」企画、「終活駆け込み寺」住職らとの交流も

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 京都駅そばの「キャンパスプラザ京都」(京都市下京区)で10月5日、終活をテーマにした複合イベントが行われた。主催は、寺と弁護士や司法書士などの士業で構成する「終活かけこみ寺」。

講演を行う武藤さん。写真はハワイの現代的な霊園

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 昨年秋に行われた発足記念講演に次いで2回目となる同企画。「終活カウンセラー」として活動する武藤頼胡(よりこ)さんが「自分らしく生きるための終活」と題して講演を行った。イベントには「駆け込み寺」の檀家(だんか)を中心におよそ90人が参加し、武藤さんが代表を務める終活カウンセラー協会が発行するエンディングノートを進呈した。

 同団体の発起人で城興寺(南区)の上原慎勢住職は「墓は残された人の心のよりどころにならないといけないのが負担になっていると聞いて何とかしなければいけないと思っている」とあいさつ。

 講演では○×クイズなども交えながら、終活が広がりを見せる背景を、地域のコミュニティーが弱くなり単身世帯も増えたことから、家族のため、自分のために「終活」を行う必要が出てきたと説明。武藤さんは「遺言で財産分与について書く時に、エンディングノートで家族への思いと共にその理由を示すことで紛争を避けられる」と紹介。実際に「エンディングノート」を書き上げて、子どもたちとの思い出を語り、感謝を伝えた夫婦の事例も紹介した。「終活は単なる準備ではなく、家族を大事に思う気持ちを形にするために行う活動だと理解してもらいたい」と強調する。

 講演後は、終活駆け込み寺のメンバーがテーブルに着き、交流と語りの場を設けた。自分の人生の棚卸しをするための設問として「墓石にどんな言葉を刻みたいか」という問いを考え、自己紹介を経て、家族への思いや、人生を振り返りながら参加者や住職や法の専門家との交流を深めた。

 同団体代表の西村達也さんは「終活駆け込み寺という名前にしてから、多くの人に知っていただいたが、活動そのものは、寺にとって特別なことではなく本来の役割だと認識している。疎遠になっていたお寺と檀家の密な関係を再び築いてもらう機会にもしたい」と期待を込める。

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