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京都の伝統産業、パリの展示商談会に出展して8年-海外販路拡大へ

パリでの展示会の様子

パリでの展示会の様子

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 京都商工会議所のファッション京都推進協議会が推進している事業「Kyoto Connection」が1月18日から22日まで、パリの展示商談会「MAISON & OBJET(メゾン・エ・オブジェ)2013」に出展した。

パリでの展示の様子

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 「染・織・工芸」をはじめとする京都のものづくり企業のブランドの向上と、海外市場における販路拡大を目的にした同事業。伝統的な素材や技術を理解してもらいやすいフランスを販路拡大の拠点にするため、8年前から同イベントに出展している。

 今年は友禅染や西陣織などを扱う8団体が参加した。中でも注目を集めたのは、金型加工技術をデザインの分野で生かしたアルミの金属画。「例年、繊維系の商品が多かったので、興味を引いたのでは」と同事業担当の西川実さん。

 商品を販売するだけでなく、伝統的なデザインや技術を海外のニーズに合わせて、用途を広げることも同事業の目的の一つだ。過去には、クッションカバーとして想定していた西陣織の素材が、シャネルなどのブティックの壁紙に使われるようになった事例がある。「海外の声を聞いて、今までと全然違う発想で可能性を広げたい」と西川さん。

 日本と海外では、契約やサンプルの送り方、営業方法などの商習慣が異なる。「職人や中小企業が各自で海外展開を考えるのは大変なので、行政と一体となる必要がある」と西川さん。「出展経験のある団体が、1年目の団体にアドバイスをするという循環が生まれている」とも。

 同イベントに出展している日本の団体は存在するが、継続しているのは珍しいという。西川さんは「主催者やバイヤーからの信頼も得てきた。今後は、売り上げの向上や新しい用途の発見など、成果をもっと出したい」と話す。「十分に力がつき、事業から『卒業』した団体も出てきた。3年ほどを区切りに卒業する団体が増え、彼らがリーダーとなって活躍していってくれたら」とも。

 3月26日には、グランヴィア京都(下京区)で展示会を行う予定。

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